ジェラート職人という仕事(開店経緯②)

Blog
  1. Home
  2. Blog
  3. ジェラート職人という仕事(開店経緯②)
gelato-ice-cream-world-travel

ジェラートに出会った日(開店経緯①)】の続きとなります。

二十五歳の時に勤めていた会社を退職しました。
その数か月後、約3年かけて計画していた世界一周旅行を開始しました。

日本から西回りで、アジア、中近東、東西ヨーロッパ、北アフリカ、南米から北米、ハワイ、オーストラリアを経由し、結果的に1年7か月ほど放浪していました。

gelato-world-travel-1

そのなかで各国の様々な氷菓も食べました。
トルコのドンドゥルマ、アメリカンアイスクリーム、ドイツのEIS、ブラジルのアサイボウル、南米のジェラートやコーヒーの氷菓、ハワイのシェイブアイス、そしてイタリアンジェラート。
各国の氷菓にはそれぞれの特徴があり、どれも大変美味しかったですが、やはり私が一番惹かれたのはイタリアンジェラートでした。

イタリアを再訪した際、偶然見つけて毎日通っていたジェラテリアがあります。
そのお店のオーナーさんご夫婦に、何故こんなにも美味しいジェラートが作れるのか、ということを尋ねてみました。
すると、まず教えてくれたことは「レシピや技術は勿論のこと、私達が拘っているのは素材だ。」という実践的な部分。
そして「何よりもパッションとプライドを持って作っているから。」と、気概について話してくれた事を印象強く覚えています。

後にジェラートを学んで分かったのですが、イタリアンジェラート特有の美味しさや滑らかさ、質感には、科学的根拠や理論が存在するということ。
水分や固形分、素材、糖分等、成分がグラム単位で精密に計算されています。
そういったことを理解し、形にして提供しているのがイタリアのジェラート職人。

大工が家を建てるときに木材を選び、家の構造を計算するように、ジェラート職人は自ら素材を厳選し、成分を精密に計算し、設計図を作るように味や質感を構成。
そこに各職人の拘りや個性、遊びが加わって、美味しいジェラートが完成します。
そういった技術やプライドが「Gelatiere(ジェラート職人)」と呼ばれる由縁の一つなのだと思います。

日本では主に工場生産のアイスが一般的ですが、イタリアでは工場生産が始まる遥か昔から、手作りジェラートのお店が多く存在していたそうです。
おそらく、イタリアでも工場生産の波が流入した時代もあったと思います。
しかし、その様な職人らによって拘り抜かれた作品だからこそ、工場生産の技術が発達した現代でも、イタリアでは手作りジェラートの文化が根付き、広く支持されていると感じました。

イタリアを再訪し、イタリアンジェラートの美味しさを再認識して、さらにジェラートとジェラート職人に惹かれることとなりました。

gelato-passion3

初めての農業と拘りの種類(開店経緯③)】に続く

\ Share!/