トルコのジェラート『ドンドゥルマ』を食べる(世界大会⑦)

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フィレンツェからボローニャへ戻ってきた翌朝。

この日はイタリア最終日。
早朝から身支度をした後、宿から電車でボローニャ国際空港へ。
往路と同様、復路もターキッシュエアラインズに搭乗して、イスタンブール経由で関西国際空港に向かいます。

しかし、その前にトルコのジェラート『ドンドゥルマ(Dondurma)』を食べるため、イスタンブールでの乗り換え時間を11時間まで延長しました。

以前トルコを訪れた際、ローカルな場所で食べたトルコのジェラート、ドンドゥルマがとても美味しく、もう一度食べたいと思っていたので、乗換時間を活用して街へ出かけることを決めていました。

トルコ時刻で16時前にイスタンブールへ到着する予定でしたが、ボローニャ発の飛行機が遅れたので、イスタンブールには1時間半遅れの17時半に到着しました。

関空行きのフライトは翌日午前3時発。
滞在可能時間は少し短くなってしまいましたが、少しでも散策が可能なのであれば、空港で待機するという選択肢はありません。
足早に入国手続きと両替を済ませて、市街地行きのバスに乗り込みました。

空港から1時間ほどでイスタンブールのタクシムという地区に到着し、そこから乗り合いバンと市バスを利用して、まずはオルタキョイというエリアへ向かいました。

久しぶりの乗り合いバンに乗車しましたが、英語は全く通じず、料金や行先もいまいちわからないまま乗り込み、バックパックで長期旅行をしていた頃の記憶が蘇り、とても懐かしく思いました。

イスタンブールは、海峡を挟んでヨーロッパ側とアジア側、二つの大陸にまたがる都市です。
アジアから来た人はヨーロッパのように感じ、ヨーロッパから来た人はアジアのように感じる街だといわれています。
街並みは勿論のこと、人々のアイデンティ等も含め、その様にいわれる理由なのかもしれません。

前回、そのことを実感したのはタクシーからの声掛けでした。
当時、トルコへ到着する前まで滞在していた中東あたりでは、乗車の要否を問わず、タクシーから粘り強い営業がかかることが一般的でした。

そういう事も長旅の醍醐味だと思うのですが、世界一周中に日本から東回りで約8か月かけてこの街に到着した直後、早速いつものようにタクシー運転手に声をかけられました。
「今回はどんな適当な返しをしようか」なんて思っていると、拍子抜けするほどあっさりと諦められてしまった事にとても驚されたことを覚えています。

街並みもさる事ながら、そういった点も含めて「ここはもうヨーロッパなのか」と物思いにふけっていました。
しかし、今回はイタリアから来たこともあり、このイスタンブールがとてもオリエンタルな国に感じました。

そんな東西の両面を併せ持つイスタンブールですが、今回まず一番最初に訪れた『オルタキョイ(Ortakoy)』という地区は、ヨーロッパ側に位置し、ボスフォラス海峡を挟んでアジア側の大陸を見ることができる場所です。

このオルタキョイから見る景色は、まさに洋の東西を結ぶ街です。

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撮影した側がヨーロッパ、海峡の向こうがアジア

ちなみに上写真のヨーロッパとアジアを繋ぐ橋は、日本の会社が作ったそうです。
前回、昼間にここへ訪れた際、神戸から見る淡路島の景色にそっくりだと思っていたのですが、明石海峡大橋を作った企業と同じなのだそうです。

そんな事も含めて、イスタンブールには勝手に親近感を覚えているのですが、今まで訪れた世界の大都市の中でもトップ3に入るほど、とても好きな街です。

また、このオルタキョイを訪れた理由は、オルタキョイ発祥の名物料理「クンピル(Kumpir)」を食べるためでした。

巨大なジャガイモにバターを塗り、その上にオリーブ、コーン、マッシュルーム、キャベツ、チーズ、その他多数、ソースも5、6種類ほどあり、選んだものは全部乗せてくれます。
イスタンブールのジャンクフード的な食べ物です。

これがとても美味しく、前回イスタンブールに滞在していた際は、3回ほど食べに来たのですが、今回も相変わらずで安定の美味しさでした。

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オルタキョイを後にして、また市バスに乗車し、今回一番行きたかったドンドゥルマ(トルコのジェラート)専門店『Girandola』に訪問しました。
非観光地の住宅街にあるにも関わらず、地元の人たちが足繁く通っていました。

今回は、トルコだけしかないフレーバーを食べたいと思っていたので、トルコ菓子「バクラヴァ」フレーバーを食べました。
バクラヴァ(baklava)は、フィロというパイのような生地にピスタチオ等のナッツを挟んだお菓子で、オスマン帝国時代にできたといわれています。

ジェラートとして食べるとより一層美味しく、ピスタチオとパイ生地のサクサク感も交じってとても好きな味でした。

もう一つはヨーグルトのフレーバー。
日本ではあまり知られていませんが、ヨーグルトはトルコ発祥だといわれており、語源もトルコ語の「Yoğurt(ヨウルト)」からきているそうです。
トルコやその周辺国のヨーグルトは美味しいものが多く、やはりジェラートとして食べても大変美味しかったです。

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非観光地にも関わらず、英語を話すスタッフさんがいらっしゃったので、ジェラートを作っていることなど、色々と話していると、他にもトルコしかないフレーバーなど、10種類ぐらいを味見させてくださりました。

前回もドンドゥルマを食べて驚いたのですが、本格的なお店のものは本当にクオリティが高いです。
トルコアイスといえば、伸びるアイスを想像しがちですが、本格的なお店はそれほどではありません。
多少は伸びるものの、夏のトルコは暑く、アイスが溶けやすいこともあり、トルコ原産の塊茎から作る増粘剤で溶けにくくしているそうです。

そして、フレーバーはピスタチオやヘーゼルナッツなど、イタリアと似ているものも少なくありません。
知人のイタリア人から聞いた話しによると、これらのナッツはトルコあたりから欧州に渡ったともいわれているそうです。

大昔は東ローマ帝国の首都、コンスタンティノープルでもあった街なので、イタリアと似ている食べ物も多いのかもしれません。

短い時間ではありましたが、ジェラートについて色々とご教授いただき、感謝です。

その後は、繁華街のベシクタシュでトルコのチャイとトルココーヒーを堪能しました。
ちなみにトルコでは、紅茶のストレートティーの事をチャイと呼び、基本的にスパイスなどは入っていません。
当店の人気フレーバー「トルコのリゼティー」は、このチャイをミルクティーにしたものです。

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夜中のギリギリまでイスタンブールを満喫して、またバスで空港に戻りました。

その後、無事に飛行機に搭乗することができ、約2週間ぶりの関西国際空港に到着しました。

今回、開店前からの目標であった大会で入賞することができ、ボローニャでは様々な方からジェラートをご教授頂き、フィレンツェではひたすらジェラートを食べて、トルコでは異国のジェラートまで知ることができ、まさにジェラートずくしの旅となりました。

これからもする事は山積みですが、今回海外でジェラートを学ぶ事ができたのは、日頃から贔屓にしてくださっているお客様や生産者様、スタッフ、そして渡航を許してくれた家族、運営に関わってくださっている皆様のおかげだと思っています。

これからも良いジェラートを作るために精進して参りますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

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